心さん、そろそろ俺にしませんか?



「俺、お前がしたいことがわかんねぇ」


「ん?純粋に、優生の恋を応援してんだけど~?」


なんだろうな、まさかとは思うけど……コイツもしかして心さんのこと……?


「勘違いはやめて欲しいな~。俺は心さんには興味ありません♪ほら、早く休憩行けよっ」


イチに背中を押されて、重い足取りで裏方を後にした。


「……これって、心さんのところに行っていいのか?」


振り返ってイチを見ると、『行け』と口パクをされた。心さんは1人ではなく、いつも一緒にいる友達と来ていた。


あの中に行け、と?さすがの俺でも勇気が出ねぇ。俯いて無理だと心で叫ぶ。誰か、助っ人が……


「あ!やっと来やがったなー」


すると、心さんの声がした。え?俺……気づかれた?驚いて顔を上げると、


「悪い!みんなとなかなか合わなくてさ!」


新たな人物がいた。そう、それは……


「ほら、西川達もここに来いよ!」


西川先輩だった。



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