心さん、そろそろ俺にしませんか?
「原田、お前エプロン似合ってんな!」
でも、心さんの声を聞いて一気に心は飛び上がる。って、エプロン?
「……あ」
エプロンをしたままだったのだ。裏方でエプロンをしながら皿を洗っていて、そのままこっちに来てしまったのだ。
このがたいに可愛らしいエプロン。誰のか忘れたけど、たしか女子のもの。
こんな恥ずかしい姿を心さんに見られるとは。穴にでも入りたい。
「ちょっと写メっていいか?」
「え」
「ブチにも見せないと。な、サハ!」
「おー」
興味がないといった様子で返事はする佐原先輩。いや、キャプテンにも見られたくないし、その前に止めてくださいよ。
「なぁ、カメラってどうやんだ?」
「ったく、心って本当機械音痴っ」
出来たよ、とケータイを心さんに渡す先輩。え、嘘。マジで撮るの?
「原田、緊張すんな!ほら、行くぞっ、1+1は?」
古っ!
「…………2」
それでも答えてしまう俺。
ていうか恥ずかしすぎる。みんなの視線が自分に注がれているのがわかるから。