心さん、そろそろ俺にしませんか?



文化祭2日目。今日は昨日のように展示やバザー、出店もあるが、メインは体育館でのゲームやライブらしい。だから楽しむようにと、俺達のクラスは、午前中だけ喫茶店を営業することになった。


「いや~今日も大繁盛だったね、エプロンのお兄さんっ」


「バカにすんな。疲れるんだよ」


俺は今日もあのエプロン姿になり、写真会を開くことになった。客は倍増、俺の疲労も倍増。


それもなんとか終えて、今、展示物を見て回っているところだ。昨日見れなかった分、見てやろうじゃん。


「……あ」


写真部のコーナーに行くと、1枚の写真が目に入った。それは、チア部の写真。もちろん、心さんが写っていた。


真剣な眼差し。いつでも一生懸命な心さんに目を奪われる。


「お!剣道部もあるぞ~」


イチの声にハッとした。見てみると、ちょうど白目を向いたイチの写真を発見。


「ちょっ、写真部って誰だよっ」


「怒るな。ナイスショットだ」


「ふざけんなっ。俺の目が~」


少し可哀想だが、まぁ、いいと思うけど。



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