心さん、そろそろ俺にしませんか?



「優生に礼を言われると、返す言葉がないな~」


「もう言わねぇ」


「嘘だって。あっ、そういえば、今の時間帯ってなんとかコンテストしてるらしいよ~!」


「なんだよ、なんとかって」


「忘れた!よし、行ってみようぜ~」


「俺興味ないから」


そう言いつつも、ぐいぐい引っ張られて体育館へ連れられた。体育館から大きな歓声が聞こえてくる。


何があるんだろう。少しだけ興味が湧き、人混みの中を抜けて音が大きくなる方へ向かった。


「はい!では優勝は、吉野心さんです!」


ん?心さんの名前が聞こえたよな?前方を見ると、ステージに司会らしい人の隣に、心さんの姿があった。


優勝?何に優勝したんだ?美女コンテストみたいなやつか?不思議に思ってコンテスト名を見ると、


『勇ましいレディを探せ!』


……あぁ、これには納得。きっと、動物を手掴みしたり、腕相撲をしたりしたんだろうな。


「心さんに相応しいコンテストだな!」


今だけはイチの言葉に、納得だ。



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