心さん、そろそろ俺にしませんか?



「えー、優勝した吉野です。そこらへんの男には負けないんで、いつでも戦いを申し込んで来て構わないです!以上!」


ふっ。思わず吹き出してしまった。本当、心さんなら男より上かもしれない。見た目は女だけどさ。


観客からはどっと笑いが出た。これ本気だぞ?という顔をしたまま、心さんはステージから降りた。


「優生挑めば~?」


「無理」


絶対に負ける。男だけど、俺は勝てそうにない。今までの心さんを見る限り、そう言いきれる。


それからもライブやダンスのパフォーマンスが行われ、文化祭は大いに盛り上がった。


美男美女を探せ!コンテストもあった。その中に心さんの姿はなかった。だけど、1位ではなかったが、西川先輩がランクインしていた。


「西川先輩って人気なんだな」


「サッカー部だし、キャプテンだしな~」


サッカー部って関係あんのか?と思いながら見ていると、


「やったな、西川!」


どこからか心さんの声。



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