心さん、そろそろ俺にしませんか?
「ねぇねぇ、女の子は来ないの?」
「は?来ねぇけど」
「早く優生の彼女を見てみたいのに~!出来たら教えてね?」
「……早く仕事、行けよ」
もー!とプンプンして仕事へ向かった母ちゃん。彼女、ねぇ。頭に浮かぶのは、もちろんあの人。
心さんが彼女になったら、俺、どんな風になるだろう。見た目で分かるくらいデレデレしてたらキモいな。
でも、心さんが自分の彼女になったら……って考えてしまう。叶うはずもない夢を描いてしまうんだ。
─────☆
「やったぁ!じゃあ優生の家で決定な~」
次の日、母ちゃんからオッケーが出たことをイチに伝えると、飛び上がって喜んでいた。
「1人クリスマスにならなくてよかったぜ~」
「去年がそうだったな」
「ありゃ苦い思いでだな~」
去年、イチには彼女がいた。だけど、その彼女からクリスマスの日に別れを告げられ、クリスマスを1人で過ごしたらしい。
「よし!陸達にも伝えてくる!」