心さん、そろそろ俺にしませんか?



「まぁ、声出し練習のための応援的な?寒くなってきて練習に気合い入ってないから、いっちょ喝入れたい、って要望来てさ」


あぁ、この要望の主は間違いなく心さんだな。


「ちょうど俺達も、部全体としては緩んできてるしいい機会だと思って了承した!」


チラッと俺とイチを見るキャプテン。はい、十分反省しています。


「女子が来るからってデレデレするなよ!気を抜いた奴は、原田と森原と共に片付けだ!」


だから、そこで俺達の名前を出さないでくださいよ。ほら、笑われてるし。


「よし!筋トレから開始だ!」


でも、今は集中するしかない。これ以上ペナルティが増えないようにな。


「ほら!汗が見えねぇぞ!」


今日のメニューをこなしていくけど、キャプテンの熱さがいつも以上にあるように見えるのは気のせいだろうか。


「ブチー!剣道部ー!来たぞー!」


すると、武道館の入り口から心さんの声が響き渡った。



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