心さん、そろそろ俺にしませんか?
「は、はいっ」
返事をしたら、緊張して声が上擦ってしまった。隣にいるイチがぶっと吹き出したのを見て、軽く睨んだ。
「君、前話したことあるよね?」
「あ、はい」
「名前なんだったっけ?身長がデカいのは覚えてんだよ。山田みたいな名前だろ?」
「……原田っす」
「そう、それだ!原田!前は間違えて悪かったな!」
ニカッと笑う心さん。彼女の笑顔を間近で見れたことと、少しでも覚えてくれていたことに嬉しさを感じた。身長がデカかったことに感謝だな。
「お前、剣道部だろ?なんで走ってんだよ」
「遅刻しました」
「あぁ?隣の君も?おいおい、1年の時からそんなんじゃ、これからあたしみたいになるぞー?あははっ」
豪快に笑う。そんな姿に心を奪われる。
心さんと同じだなんて、すっげぇ嬉しいっすけど。