心さん、そろそろ俺にしませんか?



「…………心さんは」


「ん?」


「西川先輩のこと……」


”好きなんすよね”


「西川がどうした?」


「あ……その……」


心さんの口から聞きたい。でも、聞いてどうする。俺は、何が出来る?


「クリスマスパーティーに誘うんですか?」


やっぱり聞きたくない……聞けない。


「おう、これからみんなでパァーッと騒ぐんだ!あっ、お前も来るか?」


「お、俺っすか?」


「森原も誘って来いよ!」


心さんからのお誘い、超嬉しい。でも、


「……いえ、いいです」


行ったら、心さんと西川先輩のツーショットを目にすることになる。心さんと同じ空間にいることは嬉しいけど、嫉妬心が勝ってしまうだろう。


「パーティーは嫌いか?」


「家で友達と集まるんです。それに、心さん達は心さん達で集まった方が楽しいかなって」


「あ、そうだよな。先輩達の中には居づらいよな。ごめんな、あたし何も考えてなかった」


「心さんは悪くないっす」


だから、顔をあげてください。



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