心さん、そろそろ俺にしませんか?
それからもゲームや話しに花を咲かせ、気がつげば日付が変わる時間になっていた。
「優生、サンキューな!楽しかったぞ!」
「泊まらなくて大丈夫か?」
「帰んねぇと鬼の母ちゃんに怒られるんだよ~。また泊まらせてくれよなっ」
チャリこぎ勝負だ!と言って、バカをしながら帰って行った陸達3人。
「心さんの達も解散してるといいな?」
「あ?」
「だって、お泊まりとかだったら気が気じゃねぇだろ?」
風呂借りるぜ!と風呂場へ向かったイチ。そう言われたら気になるじゃねぇかよ。心さんと西川先輩に何もなければいいけど……何も。
ケータイを取り出し、保存されている文化祭の時のおばけ役の心さんの写真を見る。
「なんで……西川先輩なんだよ」
今、気づいた。
心さんの写真には、鏡越しで西川先輩が写っていた。そして、心さんの目線は……西川先輩へ注がれていた。
こんなシーンを撮って俺に送ってたのかよ、イチめ。絶対あてつけだ。
そして俺は、ケータイを閉じて部屋へ戻り、ベッドへ寝転がって心さんの顔を思い浮かべたのだった。