心さん、そろそろ俺にしませんか？

「こ、こ……先輩はどうしたんですか？」


心さん、と言っていいのかわからず、先輩、と言ってしまった。


さらに、”チア部っすよね？”そう言いたかったけど、何で知ってるんだと思われたくなくて、あえて言わなかった。


「あたし？原田達と同じく遅刻！」


そんなに堂々と言えるもんっすか？


「でも、あたしには堂々と言える理由がある」


「……それ、なんすか？」


知っているけど、聞いてみた。聞きたくないけど、聞いていた。


「好きな奴にアタックしてた！」


わかってるけど……わかってたけど、本人の口からそれを聞くのは苦しい。


だって、心さんの目の色が変わった。西川先輩のことを考えてんのかな？とても、キラキラしているんだ。