心さん、そろそろ俺にしませんか?
次の日。
「今日から放課後は勉強か~」
大きなため息を吐きながら、イチが昼飯を食っている。
「仕方ねぇよ。勉強不足の奴が多かったんだし」
「実は俺もその中の1人だよ~」
「わかってるから」
イチの暴露を聞き流して、俺は黙々と自分で作った飯を食う。今日は卵焼きの味が濃くなっちゃったな。
「放課後の勉強嫌だぁ~。部活じゃなくて勉強だよ?ありえない!」
すると、教室内でも同じように放課後を嘆く奴の声が聞こえてきた。見てみると、澤本がいる女子グループだった。
「澤本達もか?」
イチも気づいたらしく、澤本達に話しかけていた。
「森原くん達もなんでしょ?大会が近くない部活動生は全員らしいよ」
「マジで?ていうか、澤本部活してたの?」
「ちょっと、森原くん失礼ね!私、書道部なんだけど~」
ごめん、澤本。俺も知らなかった。……ん?待てよ?全部の部活動生?てことは、もしかしなくても……チア部もってことか?