心さん、そろそろ俺にしませんか?
次の日。
「なぁ、優生知ってたか?」
4時間目まで授業が終わり、イチと他数人と昼飯を食っていた時、イチが俺に近づいてそう言った。他の奴等は聞こえていない。
「何が?」
でけぇおにぎりを食いながらイチを見る俺。ちょっと来いよ、というイチについて行き、その場から少し離れた場所でイチが口を開いた。
「心さんって西川先輩と付き合ってないんだって」
おにぎりを頬張ったまま、思考停止してしまった。イチのやつ……今、なんて?
「……ふぁ?」
「だ~か~ら……」
「誰情報なわけ?」
「兄貴の彼女。心さんと中学が一緒らしいよ」
イチの兄貴の彼女……ね。繋がりが遠いな。
でも……心さんが西川先輩と付き合ってないことが本当だと、嬉しいんだけど!やべぇ、顔が緩む。