心さん、そろそろ俺にしませんか?
目を丸くして俺を見る心さん。いつもの俺なら嘘っすよって言えるだろう。でも、今は違う。
「俺、心さんのことがずっと好きでした」
さっきとは違い、心さんの腕をひいて正面から抱きしめた。途端にチャリは倒れた。
「な、な、何言ってんだ!?」
「今がチャンスだと思って告白したんです」
「なっ、おまっ、頭大丈夫かよっ」
「はい、大丈夫です。心さんが好きなんです」
「あ、アホ!」
バッと離れた心さんは、信じられないという表情。
「お前、あれだろ?ど、同情ってやつだ!」
「同情だったら、今まで好きでいませんよ」
「な、何なんだよっ。原田、お前本当に原田か?」
さっきまで泣いていた心さんとは違い、俺を必死に心配する心さん。
自分でもビックリするくらい好きと連呼している、俺。でも、言う度に気持ちがスッキリする。
「原田っすよ」
「原田!さっさと帰れ!いいな!?」
「送ります」
「お、送らんでいい!じゃあな!」
そしてチャリに飛び乗って俺の前から去った心さん。
……焦り過ぎっすよ。まぁ、そこも可愛いけど。