心さん、そろそろ俺にしませんか?
「でもな、まだ続きがあるんだよ」
人差し指を立てて俺を見るイチ。俺は興味津々でおにぎりを片手に耳を傾けた。
「心さん、中学ん時に西川先輩に告ったらしいよ」
え?
「こ、告……?」
「そう。告白」
心さんが……西川先輩に告白していただと?
「イチ……それって」
「振られちゃったみたいだよ、心さん」
それを聞いて、安心する自分と苦しくなる自分がいる。
「でも、今あんなに仲良しじゃんかよ……」
「うん。中学卒業まで2人はギクシャクしてたみたいだけど、高校入って、男と女の友情もアリでしょ?って心さんが西川先輩に言って、あの関係になってるみたい」
もともと仲が良かったみたいだよ~と言うイチ。だけど、俺の心はもう何も聞きたくなかった。