心さん、そろそろ俺にしませんか?
「うっそ!お前マジで!?」
イチの声があまりにも大きかったせいか、どうしたんだよ?と、クラス中の注目を集めてしまった。
「……声でけぇよ」
「だって、だってお前が~!!」
あーあ。言うんじゃなかった。コイツのリアクション半端なくうるせぇし。
「原田くん、何かあったの?」
すると、近くにいた澤本から声をかけられた。あ、澤本といえば……無言でイチを見ると、急に大人しくなっていた。
「あー何でもねぇよ。コイツがギャーギャー騒いでるだけ」
と、イチに話をふった。
「そうそう~。聞かれてたなんて参ったな~」
へらへらしようと必死になってるけど、澤本への気持ちを知った今では、イチの顔がニヤけるのを見るのは面白い。
「ったく、お前話ふるな!」
澤本が女子んところに戻った後、耳を赤くしながら俺の肩を叩いてきたイチ。
「感謝しろよ」
「できるかよ。澤本、お前見て顔赤くしてて……ムカつく」
ヤキモチ妬いてんの、いつか澤本が気づけばいいのにな。
「1時間目って何?」
「数学だよ。まとめテストするって」
「うわ、だる」