心さん、そろそろ俺にしませんか?
それから、心さんと会う度に、
「ひゃ、ひゃらだ!」
名前を噛まれたり、
「き、今日は天気がいいなー!」
なんて、超挙動不審で言われたり、とにかく心さんの言動はおかしすぎた。でも、俺は嬉しかった。
だって、心さんが俺のことを意識してるってことだろ?ちょっとは……その、告白のことを気にしてるってことじゃね?
だから、このままだったらもしかしたらこの関係も、いい方に変わっていくんじゃないかなって期待してた。だけど、
「は、原田!ちょっといいか?」
数日後、授業の休み時間に心さんから呼び出された。教室に現れた心さんを見て、最初は唖然としたけど、俺は慌てて立ち上がって心さんの元へ向かった。
「……何すか?」
「ちょっと、来い」
教室から離れて、踊り場まで連れて行かれる。そして、心さんが口を開いた。
「この前は、ありがとう」
まっすぐに俺の目を見てそう言った。
「まさか、お前からこっ……告白されるとは思ってなかったから、正直ビックリした。…………お前は、あたしにとって大事な奴だ。大事な後輩だ」