心さん、そろそろ俺にしませんか?



胸騒ぎがする。直感でそう思った。


「だから、余計に曖昧にしたくなくて、お前を呼んだ」


心さんがさっきよりも俺をじっと見る。逸らすに逸らせなくなった俺も、心さんの瞳を見る。


「ごめん。あたしは西川が好きだ。だから、お前の気持ちは受け取れない」


ストレートな言葉が心に突き刺さった。


「振られたからって、そう簡単にあたしの気持ちは変わらねーんだ。西川のこと、ずっと見てきたんだ」


切なく笑いながら心さんは言った。でも……すみません、心さん。


「ごめんだけど原田……」


「無理っす」


「え?」


「俺も無理っす。気持ちは変わらないっす」


俺だって、遊びで告白したんじゃない。簡単な気持ちで好きになったんじゃない。


「心さんが西川のこと、ずっと好きなのは知っていました。それでも、心さんが好きでした。だから、簡単に諦められるわけないじゃないっすか」


「原田……」


「すみません。迷惑ってわかってるんすけど、自分の気持ちには嘘はつきたくないっす」


心臓がバクバクいってる。


そんなのお構いなしで、俺は心さんに伝えた。



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