心さん、そろそろ俺にしませんか?
「原田!ちょっと来い」
それは部活中のこと。イキナリ、キャプテンに呼ばれた。矢代の授業で寝てたことがバレたのか?そう思いながらキャプテンの元へ。
「監督が呼んでる。行くぞ」
嘘。監督にまで伝わったのか?おいおい、そんなにヤバい寝方してたのかよ、俺。重い足取りで監督の部屋へ入った。
「原田。お前、また寝たのか?」
「……いえ……あ、はい」
「はははっ。そんな怯えるな。その話じゃないから。お前を呼んだのは別件だ」
え?別件?
「原田。お前、キャプテンやらねぇか?」
監督の言葉に目を見開いた。……キャプテン?俺が?
「3年と俺と話し合ったんだ。まぁいろんな意見が出たぞ。お前は冷たいだとか周りに無関心だ、とかな」
おーそれを本人を目の前にしてよく言ってくれますね、監督。
「だけどな、1人だけお前のことを『原田は芯がしっかりしている。キャプテンに相応しい奴だ』って言い切った奴がいてな」
え?俺は隣に座っているキャプテンだと思って見た。だけど、キャプテンは首を横に振った。じゃあ誰が?
「佐原だ」
「佐原先輩が……?」