心さん、そろそろ俺にしませんか?
その背中を見送ると、急に罪悪感が俺を包み込んだ。俺は、イチの好きな奴から告白を受けてしまった。イチとどんな顔をして会えば?
重い足取りで教室へ向かっていると、誰かがどんっとぶつかってきた。
「あっ、原田」
心さんだった。
「今な、あたしの友達が言ってたんだけど、お前告白されてたのか!?」
え、情報早い。心さんはキラキラした目で俺のことを見て、「いや~、やっぱりお前はいずれモテる奴だったか!」なんて言っている。
「……なんか、思わないんすか?」
「何をだ?告白だぞ?嬉しいだろ?」
心さん、この言葉が俺の心にダメージを与えるんすけど。心さんが俺のことを何とも思ってないことを痛感する。
「嬉しくないっす。心さんが妬いてくれないから」
「え?あっ、あたし!?」
「自覚してくださいよ。俺は心さんが」
「ストップ!それ以上言うな!言ったら絶交だ!」
顔を真っ赤にしながら俺の言葉を遮る心さん。さすがに絶交は嫌だ。
「じゃ、今は言いません」
「これからも言わんでいい!」
言わなきゃ、心さんに気持ち伝えられないっすけど?