心さん、そろそろ俺にしませんか?
「俺達にいや~な思い出を残すんじゃねぇよ。もっと意味のあることを残せよな?」
そう言うキャプテンの姿を見ると、今年が最後だと言っていた心さんの姿を思い出した。
「まだ部員達には秘密事項だかんな!原田もサハも絶対言うなよ?」
いつも思うけど、キャプテンは何事もサプライズが好きだよなって。じゃ!と俺と佐原先輩を残して、1年の輪へ向かったキャプテン。
「アイツ、サワがいないから寂しいんだとよ。だから、無理に鑑賞の予定を入れたのも一理ある」
チア部は心さんと同じく合宿中。愛しの彼女がいなくて、寂しいとか……キャプテンらしい。
「明日、決着つけねぇと殴るから」
そして佐原先輩も彼らしい。
─────☆
「マジっすか!?」
次の日、イキナリ今夜夜空鑑賞をすることを聞いた部員達が、声を揃えて驚きの声を出した。
「だから今夜は遊び禁止!デートも禁止だ!」
自分が出来ないからって、そんな言わなくても。もちろん、反対意見は聞かずに、練習を再開したキャプテン。俺達は重い足取りで後に続いた。