心さん、そろそろ俺にしませんか?



「20分で食え」


足が痺れ始めた頃、監督からの一言。俺達は飛び跳ねて痺れにうなだれ、それでも腹を満たそうと必死にバイキングコーナーへ向かった。


「1時間の飯が30分以内に減らされるとは、とてつもなく悲しい~!」


皿に好物をたっぷりのせて、どれから食べるか橋で選びながらそう言ったイチ。元はといえばお前が湯かけを始めただろうが。それに便乗した俺達も俺達だけど。


「お、おい!イチが変なこと言うから、監督がこっちに来たじゃねーかよっ」


すると、同じテーブルで食べていた奴が、慌てながら俺とイチの後ろを指さした。ゆっくり振り返ると、監督がいた。


「楽しそうだな、森原」


無表情でそう言う監督。さすがのイチもバツがあるんだという表情で、監督を見て固まっていた。と思っていると、監督の目が俺を捉えた。


「飯の後は全員で掃除をすること。その後はお前と渕田は俺の部屋へ来い」


そしてさっといなくなった監督。


「ラッキー♪掃除したら自由時間だ~♪」


「ダブルキャプテン大変だな~!」


口々に言う部員達。俺は黙々と残っていた飯を食いはじめた。



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