心さん、そろそろ俺にしませんか?
そしてキャプテンは立ち上がった。
「みんなのあの無邪気さを殺すようなことは……あの笑顔を消すようなことはするな」
「キャプテン……」
「夏が終わればキャプテンじゃないっつ~の!」
1年の差がこんなにもあるなんて知らなかった。キャプテンが……遠い存在に感じた。それくらい、自分の立場の重さを痛感した。
「よし、遊びに行くぞ!」
1週間あった合宿は、吐くくらい……いや、実際吐いたけど、それくらいキツかった。だけど、みんながいたから集中的に指導されても、投げ出すことはなかった。
泣く奴もいた。自分を責める奴もいた。でも、それは何かに気づけたわけであって、たしかに成長へと繋がってんだ。
そして、最終日前夜は昨年と同じように、俺達先輩から後輩へアイスのプレゼント。後輩達の目は潤んでいた。
試合に勝ちたい。本気でそう思えた合宿だった。
先輩達にまだ部活の道にいてほしい、まだ一緒に戦いたい、そう思えたから。