心さん、そろそろ俺にしませんか?



そして、開会式を終え、団体戦の試合がスタートした。キャプテンや佐原先輩がいる3年生を主としたAチームと、イチや石橋のいるBチームが挑む。


俺は団体戦は、外されてしまった。理由は、2つのことを出来ないからだそうだ。


団体戦に出れないことは悔しいけど、個人戦で戦えることに嬉しさがあった。だから、勝ち上がってやるって思えた。


団体戦の試合を観戦する。5人の剣士の後方で、正座をして見守る。


「やぁっ!」


パシッパシッ!


目の前で戦いが繰り広げられる。今試合に出ているわけじゃないのに、俺は手汗をかいて緊張していた。


そして、気がつけばイチの出番がきていた。現在は、1ー1で引き分けが1。イチが勝てば大将が負けない限り、勝ち上がることができる。


「しゃっ!」


自分に喝を入れて立ち上がったイチ。おいおい、威勢がいい割には、肩に力が入りすぎだぞ?


なんて思っていると、イチの持つ竹刀が震えていた。あぁ、アイツも緊張してんだ。


俺達だけじゃない。


他のチームの選手もきっと、緊張しまくってんだ。


「始め!」


イチの試合が始まった。



< 255 / 387 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop