心さん、そろそろ俺にしませんか?
「はい、不正解。次!」
「……22930」
「不正解!なんだこのクラスは。この列の全員同じ回答で間違えるって、そんなことあるか?」
数学の授業。髪の毛の薄いさだちゃんが、頭皮と怒りを露わにしてみんなを叱る。
「それになんで式が百単位を割る問題なのに、答えが一万を越えるんだ!」
答えた奴等は、もちろん俺の答えを写した奴等。そいつ等が恨めしそうに俺を見る。だから言ったじゃん、勘だって。
「はぁ……次、原田」
力なく俺を指名したさだちゃん。
「22」
「正解!ほら!やっと正解が出たぞ!お前ら、誰のを写したのかわからんが、もう人の答え写すなよ!」
平然と答えた俺をあげ、写した奴等を叱るさだちゃん。
「写し間違えたのか!?」
「ちゃんと書いてあったよな!?」
当然、俺と同じ答えを書いたと思っている奴等は焦っている。