心さん、そろそろ俺にしませんか?
心さんにお願いがあります。
「お前ら惜しかったなー」
あちゃーと言う顔でそう言った心さん。夏休み最後の部活、ラッキーなことにチア部と練習時間がかぶり、そして休憩時間までもかぶったため、心さんと話す時間が出来たのだ。
「怪我をしなければ、先は分からなかったんすけどね~」
イチが俺の肩を叩いた。そう、言い忘れていたが、心さんと2人きりではない。イチという付属もいるのが俺のテンションを低くさせる。
「それで怪我はどうなんだ?」
「病院行ってみたら、全治1ヶ月らしいっす」
あの医務室の医者は剥離骨折とか言いやがったけど、骨にヒビが入っていた程度だった。まぁ、それでも怪我をしてるっちゃしてるんだけど。
「これからの生活は不便になるな。森原、お前マブダチなんだろ?助けてやれよ?」
「俺の助けより、心さんの助けを求めてると思うんすよね~な、優生!」
……コイツ、余計なことを。
「ん?そうか?まぁ、あたしに出来ることがあれば頼れよ!」
この言葉って、俺の下心のことなんて関係ないんだろうな。分かってるけど、ちょっと……かなり落ち込む。