心さん、そろそろ俺にしませんか?
「ということで、今から掃筋開始です」
そして、監督からの指示を部員に伝えたところ、部員の表情は固まった。
「おい、原田それマジかよ」
元キャプテンが苦笑いをしながら、俺の元に来る。俺も苦笑いを返しながら小さく頷いた。
「しゃーねーな。3年間お世話になった道場だし、筋トレしながら綺麗にしてやるか!」
「だな。やったるか~!」
でもすぐに、先輩は団結して掃除道具を取り出した。グダグダ言わずに受けいれて実行する。これが先輩達のいいところの1つ、見習うべき姿勢だ。
「原田!掃除をする場所って決まってるか?」
1人の先輩から尋ねられた。
「あ、はい。今回は誕生日ごとに振り分けてみました。ココに書いてみたんすけど……」
「お!みんな!掃除場所を発表するぞ~!」
毎回、俺達の掃除の仕方は、誕生日や出身地、科ごとに1~3年を振り分けて掃除場所を決めている。その方が学年でかたまらないで、他学年とも話す機会が出来るんだ。