心さん、そろそろ俺にしませんか?
俺も最初はかなり佐原先輩のことビビってたけど、今はそんなにないんだよな。やっぱり関わることが大事だと思うんだけど。
「おい」
佐原先輩に呼ばれてビクッとした俺。また新聞紙かと思って、新聞紙に手を伸ばした。
「お前じゃない。おい、そこの1年」
佐原先輩が呼んでいたのは、佐原先輩と俺から距離を置いていた1年生2人だった。2人はすぐさま背筋を伸ばして立ち、佐原先輩を見た。
「こっちこい」
そして、すぐさま佐原先輩の元へ駆けて来た1年の山手と垣根。は、早っ。
「お前ら見てるとイライラする。俺がそんなに怖いか?」
「……はい」
垣根が小さく答えた。ひぇーコイツ正直もんだ。
「そ、そうか。…………悪い」
少しショックを受けたのだろう。佐原先輩がドギマギしながら言葉を返していた。
「見た目とか言葉とかキツイって言われるから、そう思うのも無理がねぇ」
少しだけ、山手と垣根が顔をあげた。
「でも、俺だって人間だし、怖いって思われたまま誰とも関われなくなんのは嫌だし、気分悪い」
俺の視線も、佐原先輩に釘付けになっていた。