心さん、そろそろ俺にしませんか?
そんな顔しないでください。
9月。夏休みが終わり一息つく間もなく、体育祭へ向けて準備が始まっていた。そんなある日のお昼。
「なぁ、知ってるか?」
夏休みに黒く焼けた陸が、弁当を食う箸を止めて尋ねてきた。仁と良平は課題未提出で呼び出されているため、俺とイチ、陸でご飯中だ。
「体育祭のジンクス!」
出たよ、こういう系。
「何それ」
「優生知らねーの?」
「仕方ないな。そんな君に教えよう!実はな……」
話によると、体育祭の日に好きな人とハチマキを交換して、交換したハチマキをつけて一緒に写真を撮ると両思いになれるらしい。
ていうか、一緒に写真を撮るのをオッケーした時点で、相手にも気があんじゃねーの?
「俺やってみようかな~って思ってんだよな~」
イチはチャレンジするらしい。相手はもちろん澤本だな。
「俺はもう相手いるからチャレンジできねーな!」
すると陸から爆弾発言。話によると、夏休みにバイトで知り合った子と恋に落ちたらしい。
「もうマジで可愛いんだよ~あっ!メールきた!」
デレデレしながらスマホをいじる陸。正直、とっても気持ちが悪い。