心さん、そろそろ俺にしませんか?
「これ以上、澤本の気ぃ引くなっての!」
そんなつもりないっての。
「まぁ、優生もジンクス信じてやろうぜ!」
「……うーん、まぁ」
自分の力で振り向かせる!てことも大事だけど、たまにはジンクスも信じてみようかな。
「決まり!よし!飯食うぞ~」
そして再び、飯を食い始めた俺達だった。
─────☆
「体育祭のジンクスか。そうだなー今年は挑戦してみっか!」
体育祭の前日の放課後。部活に行く途中に、友達と話す心さんの爆弾発言を聞いて、俺の動きは止まった。
嘘、心さんもジンクス信じてる!?心さんには申し訳ないけど、西川先輩と両思いなんて嫌に決まってんだろ。俺、マジで頑張んねーとやべぇ。
振り向いてもらえねぇ。
─────☆体育祭当日
「ねぇ、この服いいと思う?」
朝、姉貴のファッションショーに付き合わされながら、おにぎりを作っていた俺。母ちゃんは夜勤後で現在爆睡中。だけど、揚げ物の下準備はしてくれていた。
「あーいいんじゃない」
ったく、こっちは弁当作んのに忙しいんだよ。姉貴の服なんか見てられっか。