心さん、そろそろ俺にしませんか?



《1着、白組森原!》


そして徒競走。イチは1着で、澤本がいると思われるテントに向かってピースサイン。澤本の反応が気になるな。


《位置について……パンッ!》


次は俺の番。これがまたなかなか足が速い組で、集団が崩れずにかたまって走っている。白組の勝利と、心さんに俺の姿を見せたい思いを抱えて、一歩踏み出した。……が、


「うわっ!」


派手にコケてしまった。一気に集団から外れてしまったが、すぐさま立ち上がり走り始めた俺。結局、俺は組で6位。


「ってー……」


その後、救護係の元へ行き、手当をしてもらうことに。まぁ、そんなに目立つような傷じゃないからヘーキだけど痛ぇな。


「優生、大丈夫か!?」


そこへイチが駆けてきた。俺はこのとおり、と傷跡を見せる。


「一応これで大丈夫。もし体調が悪くなったら先生に言ってね」


そして、手当をしてくれた救護係にお礼を言い、白組のテントへ向かった俺とイチ。


「原田、大丈夫か?」


すると、心配そうな顔をした西川先輩と遭遇。怪我のことを気にかけてくれるのはありがたいけど、素直に喜べない。



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