心さん、そろそろ俺にしませんか?




「あーそーっすか」



俺の隣を歩く西川先輩に素っ気なく返事をして、自分のポケットに手を入れた俺。ハチマキ入れっぱだ。カバンに入れようと思い、ハチマキを取り出した。



すると、ハチマキに書かれている文字が見えた。俺、ハチマキに何も書いてないけど。



─────吉野 心 ☆ 白組優勝!



「……え‘’」



心さんの名前が書いてあった。しかも意気込みまで。どーした?と西川先輩もハチマキを見る。



「吉野。お前のハチマキ、ココにあるぞ?」



すると、俺達の前でイチの恋バナを聞いていた心さんが振り返った。



「ハチマキ持ってるよ?」



そう言った心さんは、自分が持っていたハチマキを取り出した。そのハチマキの隅に《LOVE K》と書かれた文字。



「あれ?これあたしのじゃねーな」



「それ優生のハチマキに俺が書きました」



とケロッとした顔で言うイチ。は!?コイツ、いつの間に人のハチマキに……って、え?



「てことは、あたしと原田のハチマキが入れ替わってたのか?」



どこで入れ替わったんだ?故意的に入れ替えたわけでもねーし、一体誰が……あ!



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