心さん、そろそろ俺にしませんか?




「カバンくらい自分で持つよっ」



「いいって。俺が持つ」



姉貴が佐原先輩と話しながらこちらへ向かってくる。え、姉貴、佐原先輩とどういう関係なんだよ?



「あっ、優生おかえり~!」



「あーうん。姉貴、なんで佐原先輩と」



「あっ、サハと知り合いなの?実はってイチくんじゃん!いらっしゃーいって……あれ?もしかしなくても心と西川?ねぇ、サハ!そうだよね?」



姉貴が西川先輩と心さんを見て声を上げる。え?イチはともかく、なんで2人を知ってんの?



「満結先輩……お久しぶりです」



西川先輩の口から姉貴の名前が出てきて、驚いて西川先輩を見ると、その表情からは切なくて愛しさが溢れていた。



ふと、嫌な予感がした。



心さんを見ると、胸が締め付けられるくらいに切ない顔をして西川先輩を見ていた。



─────西川、好きな奴いんだよ。



嫌な予感は的中した。



< 317 / 387 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop