心さん、そろそろ俺にしませんか?
「それにさ、言いにくいんだけど、西川に告られたことあってさ……あたし」
「え?そうなの?」
「断ったんだけどね。心の好きな人でもあるし、それにまだ周りには秘密にしてたけど、その時にはもうサハと付き合ってたし」
そう言った姉貴は、テーブルにあったクッキーを頬張る。
「でもその前にね、まだ西川の思いを知らない時に、心に西川へ想いを伝えなよとか言っちゃったんだ」
" だけど、心はフラれちゃったんだ。あたしのせいで"
そう言った姉貴からは、後悔してるって思いが伝わってきた。きっと、心さんのことを大切に思っていた……そう分かるくらいに。
「だから、西川があたしに告白したことを心には言ってないから、心は知らない。だけど、西川の思いがあたしに向いてたってことには、薄々気づいてたかもね」
その通りだよ。心さんは、西川先輩の好きな人が姉貴だって知ってる。あんな辛い顔見たら、誰だって分かる。
「それでも心は、あたしとも西川とも今まで通りに接してた。だからあたしも、これ以上心のことを傷つけたくなかったし、その話題には触れないようにしたな……」