心さん、そろそろ俺にしませんか?
「あ、あのさ、姉貴……」
「よし!もっと女らしくなろう!そのかわい子ちゃんにサハを取られないように!サハに逃げられないようにしなきゃっ!」
冗談を言ったこと……謝ろうとしたけど、姉貴は自己解決した。こういう前向きな考え、佐原先輩は一緒にいて呆れてそうだな。
でも、きっと俺達には見せない優しい笑顔を、姉貴には見せてるんだろうな。誰よりも近い存在で。
「てことで、優生は今後サハの監視よろしくね!」
「おいおい、監視とか姉貴こそいき過ぎてんじゃね?」
「そ、そんなこと言わないでよっ。こう見えても心配なんだよ……距離があると」
髪の毛をクシャっとして笑う姉貴。姉貴は佐原先輩の見えない日常に不安があるんだ。きっと、同じように佐原先輩も。
「……佐原先輩に限ってないとは思うけど、もし何かあったら連絡するから」
「ありがとう、優生~♪」
そうだよな。俺はいつでも心さんに会えるけど、姉貴はなかなか会えねーもんな。そりゃ、嫌な考えもたくさん浮かぶよな。
「じゃあ、あたしから優生へお礼をいたしましょう♪」
「……なに?」