心さん、そろそろ俺にしませんか?
いつもならこんなふざけたこと、絶対に引き受けないけど。
「……今日だけだから」
心さんのため、なら話は別だ。
─────☆
「いやー、ほんっとに美味いな!原田お前いい腕してんなっ」
そして、手料理を振舞った俺の料理を、美味しそうに食べている心さんの笑顔を見ることができた。
メニューは材料の都合上、白ご飯に味噌汁、野菜を刻んだハンバーグにサラダの盛り付けにした。
味噌汁やハンバーグのソースも母ちゃん伝授の方法で作ったし、味はそれなりだと思ったけど、こんなに喜んでもらえると嬉しい。
「まぁ、いけるな」
珍しく佐原先輩からも褒められて、ちょっと照れくさい。
「でしょ?我が弟ながらこの腕前は自慢出来る!」
「満結もこれくらい作れよ」
「が、頑張れば作れるし!」
嘘付け。姉貴、ほとんど料理しねーだろ。まぁ、佐原先輩も分かってるだろうけど。
「原田、いつも料理してんのか?」
姉貴と佐原先輩が話してるのをよそに、心さんが俺に話しかけてきた。ちなみに、俺は心さんの隣のイスに座ることができています。