心さん、そろそろ俺にしませんか?




「簡単にですけど、母ちゃんが夜勤の時とかには……」


「部活もあんのに偉いな!あたしなんて、家に帰ったら飯ー!って騒いでるのに」


あぁ、それ想像できます。


「そうそう、心っ。優生ね、お弁当も自分で作ってるんだよ!」


そこへ姉貴の登場。余計なこと言うなよー。


「え、昼もっすか!?原田お前……」


心さんがじーっと俺を見る。え、な……なに。女々しいとか思われた!?


「すっげーいい子だな」


心さんに、眉をハの字にして感動の眼差しで見られていた。大きな目をウルウルさせる、まるでマンガのキャラみたいだ。


「くっそう!あたし達も負けてらんないね、サハ!」


「は?なんで俺なんだよ」


「勉強だよ!こんなに頑張っている後輩がいるのに、あたし達はまだ本気を見せてねーだろ?な!」


「原田にどんだけ影響されてんだ、お前」


心さんの面白い訴えに佐原先輩の呆れた声。姉貴はお腹を抱えて笑ってるし、なんだか俺も笑えたんだ。


「そうだよね、2人は受験生だもんね。進路どんな感じなの?」


姉貴ナイス!俺もそれ知りたかったんだよ。あ、心さんの分だけで結構だけど。



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