心さん、そろそろ俺にしませんか?
その言葉はどういう意味ですか。
「じゃあ、帰るね~」
2週間後、夏休みが終わる姉貴は一人暮らしをしているアパートへ帰った。そして、姉貴が帰った後も今までと変わらない日常が始まった。
「気合入れて行くぞ!」
部活は、秋の大会へ向けて練習の日々。そうそう、全国大会に出場した佐原先輩が、全国3位の名を残した。
俺達は学校だったから、応援には行けなかったけど、新聞やテレビで佐原先輩の活躍っぷりが出る度に嬉しかった。姉貴の彼氏ってことで近い存在だし。
そんな佐原先輩達の姿もあって、現在の剣道部は気合が入っているというわけだ。まぁ、その気合いは1日続けることは難しいわけで。
「はい、そこの寝てる原田と森原は、あとで先生のところへ来るように」
授業中にイチと爆睡をかまし、休み時間に先生の元へ指名をくらう回数が多くなった。そろそろ顧問の耳にも入る頃だから……態度をわきまえよう。
そんなこんなで、気がつけばもう10月下旬。この時期のイベントといえば、文化祭。
「じゃ、お願いね~」
今日は文化祭。開催直後、クラスの女子から手渡されたはっぴとハチマキにビラ。文化祭初日の役目はビラ配りと宣伝だ。