心さん、そろそろ俺にしませんか?
「俺は負けねぇ!澤本からのどんな愛のムチでも受けて立つ!」
うん、何か違う方向に向かってるけど気にしない。そんなことを心で思いながら、イチと模擬店の場所へ足を進めた。
「あ~ちょうどよかった!2人帰ってきた!」
「ほら、早くこれ付けて!原田くんは調理場ね!森原くんはレジして!」
クラスの模擬店に着くなり、委員長から指示をいただくことに。って、またエプロン女モノかよ!?
「原田くんのエプロンね、今他の男子が使ってるから、これしかないの!」
白のフリフリが枠についたピンク色のエプロン。大きくため息をついてエプロンを付け、調理場へと向かう。
「おお!原田おかえりー」
「今、ちょうど人手足んなくて!」
クソ、料理が不得意だったら投げ出してんのに、いつものクセで道具を見ると手が勝手に動く。
「麺どこ?」
「あ!たしかあっちに……今取ってくる!」
そんなこんなで、焼きそば担当として働いた俺だった。