心さん、そろそろ俺にしませんか?
「って~なぁ。いいじゃん、料理はお前の得意分野だろ?」
「そうだけど」
「心さんが来てくれたら、お前の手作りを食ってもらえんだぞ~?」
ピクッ。
心さんが、俺の作った焼きそばを食う?
「……早めに休憩取ってくる」
「俺も行く~!澤本にまだ距離置かれてんだよ~」
イチの嘆きを無視して、余った焼きそばを持って教室の裏方スペースに移動する。イチの奴、まだ焼きそばの刑を受けてないみたいだ。
「そういえば聞いたか~?キャプテン達、バンドするんだってよ」
「ふーん」
「それがさ、佐原先輩と西川先輩も出るらしいぜ」
に、西川先輩?
「……それ、いつ?」
「ん~んと、明日だっけな?」
「明日?」
そういえば、俺が照明担当の時間帯にバンド入ってたけど、それってもしかして……
「『The☆イケメン’s』ってやつだった気がする!」
うわ、そのネーミング考えたの、絶対キャプテンだ。マジかよ、先輩達の照明担当ってことは、西川先輩の活躍が見れるってわけで。
きっとその会場には、あの人が……心さんがいるんだ。