心さん、そろそろ俺にしませんか?
「A定食と日替わりBを1つずつ」
食券を買い、食堂のおばちゃんに出す。そしてぐるりと食堂内を見渡した。
「ん~心さんいないみたいだね~」
「……いるし。あそこ」
「え?どこどこ!?」
日当たりのいい場所のテーブルに、5人組の女子の姿が見える。その中に心さんがいたのだ。
「うっわ、お前の心さんレーダーすげぇわ」
「片思いをなめんな」
「それ、威張るところじゃないから」
うっせ、それくらいしか威張れねぇんだっての。
「はいお待ち~」
おばちゃんから学食を受け取り、場所探し。と思いきや、ラッキーなことに心さん達の隣のテーブルが空いたではないか。
「イチ、急ぐぞ」
「はいよ~♪」
そそくさと生徒達の間を切り抜けて、目的のテーブルへと足を速め、なんとか席をゲットした俺達。
「あれ?原田くんじゃん」
すると、心さん達のグループの1人が声をかけてきた。