心さん、そろそろ俺にしませんか?



もう、嬉しいけどやめてほしい。心さんに一喜一憂させられるんっすよ。


「原田、またな!」


そう言って、待たせていた先輩達のところへ駆け足で向かった心さん。


心がむず痒い。さっきの些細な会話を思い出すだけで、胸がポカポカする。


「……俺、女子みてぇ」


心さんの姿を見送ってから、食堂を出て教室へ向かった。


「遅かったな?どこで油売ってたんだよ~」


歯磨きを終えたイチが俺の元へ気だるそうに来る。


「カンケーねぇし」


「はいはい、心さんね」


「!?」


「お前知ってる?廊下から食堂見えんの」


こ、コイツ……


「さすがに会話は聞こえなかったけどな!」


「へー」


なんだよ、俺が心さんと話してたって分かってんなら、もうそれ以上聞くなよ。


「知りたいなぁ~優生く~ん」


「誰が言うか、ボケ」



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