心さん、そろそろ俺にしませんか?
だって今は……今日心さんと会えて、弁当食ってもらって、不意打ちで手も繋げて、たくさん話が出来て、一緒に帰ることが出来た。
期待なんてするよりも、この嬉しさに浸りたい。笑顔の心さんを思い浮かべていたい。
そう思いながら、家路へと足を進めた俺だった。
心さんの心の中にいるのが西川先輩で、それが今も変わっていないとしても、俺の気持ちは変わらない。
好きです。
好きです、心さんが好きです。
一度は伝えたこの思い。だけど、あの時よりもずっと大きくなっているこの思い。
心さんと同じ高校で過ごせるのも、あと数ヶ月。春にはもう、心さんの姿を探すことが出来ない。
このまま平行線で、変わらない関係のままにしたくない。
心さんの中に、俺の存在を残して欲しい。
少しだけでいい。俺のことを考えて欲しい。
西川先輩のことを10考えるとしたら、俺のことは……そうだな、0.5くらい考えて欲しい。
あーあ、そんな小さな願いさえも叶わないのかな。
一番星は、他の星とともに輝きを増している。
俺の気持ちは、さっきよりも少しだけ……輝きが消えた。