心さん、そろそろ俺にしませんか?
祈る日々、見つめる日々。
「うお~俺史上最高の高得点だぜ!」
あっという間に12月を迎えた。先日行われたテストの自分の点数を見せびらかすように、俺の机の上に広げたイチ。その点数をカイロを握りしめながら見ていく。
「うわ、お前マジかよ。俺より高い」
「よっしゃ~。こりゃ澤本様々のおかげですな~」
そう言って、今度は澤本の元へテスト用紙を持って行ったイチ。いつものテストは、イチとどんぐりの背比べ並で俺が勝ってたけど、今回のテストはギリギリでイチに負けた。
「ま、1点違いだけど」
そう自分に言い聞かせるけど、そろそろ本腰入れて勉強していかねーとな。イチのおかげで焦ることが出来たわけだ。
「おい、原田ちょっと」
部活時間、部員と準備運動をしていると、監督から呼ばれた。
「冬休みの合宿の件なんだが」
昨年は行わなかった冬合宿。でも、全国出場を遂げた佐原先輩の影響や、練習時間の多い夏だけでなく冬も強化合宿をしよう、とミーティングで決めたのだ。