心さん、そろそろ俺にしませんか?
「たまにはさ、息抜きに女の子と……」
「はい、澤本に報告決定」
途端に、イチは大人しくなった。なんだこれ、澤本の効果ってすげぇな。
「てことで、休憩終わり。練習始めまーす」
俺の指示の後、部員達がすぐさま立ち上がり、練習を再開した。
「なあ、クリスマスどうする?」
「クリスマスといえば……デート!」
昼。イチや陸達と5人で教室で机を雑につけて、昼飯を食っていた。そこへ、陸の質問にイチが嬉しそうに答えたわけだ。
「25日は練習だっての」
俺には共感なんて言葉はなく、イチへ現実をみせる言葉をプレゼント。
「その後に、ぐふふ……!デートしようかってなってんだよ~」
あーその顔キモイ。見せるな。
「イチ~お前澤本と順調なんだな~」
「へへへ、なんだかんだ仲良くさせてもらってます~」
「おいっ、ぶっちゃけ今、どこまでいってんだよー!教えろよ~」
「俺達の仲じゃんか~」
「え~、恥ずかしいなぁ」
俺以外の4人で盛り上がっている。もうお好きにどうぞ、なんて思いながら上手く巻けた卵焼きを頬張った。ん、味も良し。