心さん、そろそろ俺にしませんか?
イチの恋バナで盛り上がってるけど、俺はもう嫌ってほど聞いてるから聞く気もない。ていうか、いつも一方的に話してくるし。
「それでさ、もう赤くなってんの!可愛すぎてこっちが照れる~」
両手を両頬に当ててクネクネするイチ。お前は女子か!
「優生はそういう話ねーの?」
良平がフルーツジュースをストローで飲んだ後尋ねる。
「ない。受験生の邪魔は出来ねぇし」
「そっか。心さん受験だもんな。そりゃ、イチのノロケ聞いてたらイライラするなー」
おいこら、そんなこと一言も言ってないし。
「でも、毎日心さんのことを思ってんだよな?ぐふふっ」
不適な笑いで俺に言う仁。どいつもこいつもー。
「先輩達、結構教室にこもってるし、なかなか廊下でもすれ違わねーもんな。そりゃもう、教室まで会いに行くしか!」
「そう言うなよ、仁。コイツ移動教室の時に、心さんの教室が見えるとこ通ってんだよ」
「い、イチ!」
「なんだよそれ。お前健気すぎる~」
今度はうるうるした目で俺を見てくる陸達。あーもう、恥ずかしい。