心さん、そろそろ俺にしませんか?



心さんは階段を降りるところだった。


隣にいる西川先輩の肩を叩きながら、楽しそうな表情をしていた。


「西川、お前英語出してねぇだろ?」


「んー何のこと?」


「とぼけんな!あたし英語の係りなの。怒られんの係りのあたしだよ?わかる?」


「ドンマイ、吉野!」


そう言って、西川先輩が心さんにデコピンをした。


「ってー!お前何すんだっ」


「これで許して!」


「アホか!いいから課題出せ!」


そう言い合いをしながら、さらに階段を降りていった2人だった。


「おい、優生……」


「やっぱ仲良いよな」


イチにヘラッと笑ったつもりだったけど、顔がひきつっているのはわかった。


だって、デコピンをされた時の心さんの表情が離れないんだ。



< 41 / 387 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop