心さん、そろそろ俺にしませんか?
心さんは階段を降りるところだった。
隣にいる西川先輩の肩を叩きながら、楽しそうな表情をしていた。
「西川、お前英語出してねぇだろ?」
「んー何のこと?」
「とぼけんな!あたし英語の係りなの。怒られんの係りのあたしだよ?わかる?」
「ドンマイ、吉野!」
そう言って、西川先輩が心さんにデコピンをした。
「ってー!お前何すんだっ」
「これで許して!」
「アホか!いいから課題出せ!」
そう言い合いをしながら、さらに階段を降りていった2人だった。
「おい、優生……」
「やっぱ仲良いよな」
イチにヘラッと笑ったつもりだったけど、顔がひきつっているのはわかった。
だって、デコピンをされた時の心さんの表情が離れないんだ。