心さん、そろそろ俺にしませんか?
その後の学校生活も、心さんの姿を見てはニヤケてイチにからかわれて、そして友達と騒いで部活に暮れる日々を過ごしていた。そして、
「明日から夏休みが始まります。高校生としての自覚を……」
夏休みに入った。帰宅部の奴等は遊ぶ計画を立てるのに夢中、俺達部活動生は恐怖の練習や合宿に恐縮していた。
「うひゃ~、練習、合宿、練試、練習、練試……高校って素敵だね、優生」
「あ、あぁ」
この時ばかりは、夏休みのスケジュールを片手にして、ゲッソリするイチに共感してしまった。
だって、中学の時よりもはるかに多い練習メニュー。高校の壁ってやつを改めて身に染みた。
「1年は初めての夏休みだが、この夏休みは勝負の夏だ!遊ぶ暇も課題をする暇もないからな!」
威圧感のあるキャプテンががはは!と笑う。つまり、遊びはともかく課題をする時間は自分で見つけろ、と。