心さん、そろそろ俺にしませんか?
嘘だろー?と頭をガシガシして、眉間に皺を寄せながら、合宿のプリントとやらを見る心さん。
『んーここは4組だよなぁ?』
『いえ、3組っす』
『は!?嘘?クラスから間違ってたわけか!?』
両手で頭を抱えてやべぇ!と落ち込む彼女。どんだけ、リアクションが大きいんだろう。
それに、百面相してるみたいにコロコロと表情も変わってるし。そんなことを思っていた。
『原田!』
『は、はい』
『間違えて悪かったな!』
そう言って、ニカッと笑った心さん。少し申し訳なさそうに……でも、目が離せない笑顔をくれた。
それが、俺の心臓をドキドキさせるはじまりだった。