心さん、そろそろ俺にしませんか?
息を調えながら、ゆっくりと2人に近づく。今まで走っていたせいか、心臓がバクバクいってる。……きっと、別の意味でも。
なんで、2人でいるんだろう?やっぱり……と、告白の言葉が俺の頭の中をループする。
「吉野」
「なぁ、いいだろ?」
会話が聞こえる。ほら!やっぱりそういう話じゃねぇかよ。聞きたくねぇ。
「ス、ストップ!」
そう思った俺は、2人に無我夢中で叫んでいた。俺の声に驚き、目を丸くする心さんと西川先輩が振り向いた。
「うわっ、ビビったー」
「誰だ?吉野の知り合い?」
「まーな。原田どうした?」
どうしたもこうしたもないっすよ。
「あの……い、今何してたんっすか?」
本当は第三者の俺が聞くべきことでないけど、気になって言葉にしていた。
「今?」
キョトンとした顔で俺を見る心さん。あぁ……言わなければよかったかも。